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[続編]オーツ麦は2型糖尿病とその予備軍の強い味方!

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【執筆・監修】 阿部 博幸
東京キャンサークリニック理事長

医学博士
一般社団法人国際個別化医療学会理事長

1年近く前に「オーツ麦は2型糖尿病とその予備軍の強い味方!」というコラムを書きました。

その内容を簡単に書きますと、“年末年始に甘いものやお餅などを食べ過ぎたことがたたり、グルコースとHbA1cの値が上昇し、それはほぼ2型糖尿病と診断されるレベルであり、それを機に、米やパンといった主食の代替としてオーツ麦を取り入れた、厳しい糖質制限を2024年1月から始めた”というお話でした。

オーツ麦を取り入れた糖質制限の結果

その後どうなったかと申しますと、グルコースは2024年の11月から正常値になりました。採血のタイミングによっては食後高血糖になってしまう時もありましたが、現在は安定してきています。また、HbA1cは2024年の10月に正常値になり、現在も安定しておりますので2型糖尿病を克服することができたと言えます。

前回のコラムでも書きましたが、私は昔からたまにオートミールを食べていたのでオーツ麦を主食に置き換えることに抵抗がなかったことが幸いし、糖質制限食を無理なく実行できたと思います。

2型糖尿病やその予備軍の人はオーツ麦を主食に取り入れてみてはいかがでしょうか。

私流2型糖尿病克服の生活スタイルのおさらい

食事(糖質制限食)

  • 主食はオートミールか蕎麦にしていました。
    (オーツ麦は大さじ3杯位の量に水を加えて下準備しておくことで、火を通す時間が短くなります。)
  • 糖質の高い食品は徹底的に食べないようにしました。
    (ご飯、パン、お餅、和菓子、洋菓子は極力、口にしませんでした。)
  • タンパク質、野菜、食物繊維を常に意識して食材を選びました。
    (昔から1日3食派です。毎食この3つのカテゴリーの食材を取り入れるようにしていました。)
  • 大好物の果物の量を減らしました。
    (朝夕食後の果物は定番で、家では2-3種類の果物を2人で食べていましたが、1-2種類に減らしました。)

現在は、主食に白米をいただくことは時々ありますが、基本的にこの食生活を続けています。

実は、糖質制限を決断する以前から糖尿病関連の薬を処方されており服用していましたが、それでも数値が上がってしまい、ほぼ2型糖尿病と診断できるレベルまでいってしまいました。

今回の私の経験から2型糖尿病予備軍や2型糖尿病の方は薬だけに頼らず、食生活を管理することが何よりも大切だと身に沁みました。現在は数値が正常に戻ったので薬は服用していません。

運動

出来るだけ歩くことと、たまにスクワットをする程度です。運動とは言えないレベルです。

私のように日ごろ運動をしていない人が急に激しい運動を取り入れるのは危険です。しかし、運動を積極的に行っていたらもっと早くいい結果が出ていたと思いますので、最後に運動と血糖値の関係についてお話させていただきます。

運動はインスリンに依存せずに血糖を取り込める

血糖の取り込み① 膵臓からのインスリンによる経路

2型糖尿病はご存じのとおり、慢性的に血糖値が高いという病気です。血糖値が高くなるのは血糖をコントロールする重要なホルモンであるインスリンが関係しています。

食事により血液中の血糖値が上昇すると、通常なら膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、インスリンによって血糖(グルコース)が細胞に取り込まれます。それらは主にエネルギー産生に使用され、余剰分はグリコーゲンとして貯蔵されます。

しかし、長期間にわたり高血糖や肥満の状態が続くことで、次の問題を引き起こします。

  • 「インスリンを十分に分泌できなくなる」
    膵臓に負担がかかり膵臓のβ細胞が疲弊してしまうからです。
  • 「インスリン抵抗性」
    血糖を取り込む側の細胞がインスリンに反応しない、肝臓がインスリンの指示を無視してグルコースを過剰に放出してしまうという状態です。

そこで運動の出番となります。

血糖の取り込み② 運動からのGLUT4による経路

運動がなぜ2型糖尿病にいいのかといいますと、運動中の筋収縮はインスリンとは異なる経路を使って血糖を取り込む働きがあるからです。

血糖を細胞に取り込む輸送タンパク質のGLUT4(グルコーストランスポーター4)は、通常はインスリンの働きによって細胞内から細胞膜表面に移動しますが、運動時は筋収縮そのものがGLUT4を細胞膜に移動させるスイッチとなるのです。

この経路はインスリンに依存しないので、インスリン抵抗性があっても血糖値を下げる効果が期待できます。運動の強度と持続時間にもよりますが、運動後も数時間から24時間ほどはGLUT4が細胞膜に存在し続けることが分かっています。
また、この経路で血糖が細胞に取り込まれれば、膵臓への負担が軽減できます。

どのような運動がいいのか

運動に慣れていない場合、以下のような簡単な運動から始めることをお奨めします。
無理のない範囲でスタートし、習慣化し、少しずつ時間や負荷を増やしていくといいです。

1. 有酸素運動

ウォーキング、サイクリング、ジョギング、水泳などの有酸素運動は、心肺機能を高めながら血糖値を下げる効果があります。1日30分、週に5日程度を目安に行うと良いでしょう。

2. 筋力トレーニング

ダンベルを使った運動や、スクワット、腕立て伏せなどの自重トレーニングは、筋肉量を増やしインスリン感受性を高めます。週に2~3回、10~15分から始めるのが理想的です。

3. 日常生活での活動量を増やす

階段を使う、家事を積極的に行う、職場でこまめに立ち歩くといった日常の動きも、十分な運動効果をもたらします。これらは習慣化しやすく、無理なく続けられるはずです。

いかがでしたでしょうか、運動が2型糖尿病の改善に効果的なことを理解いただけたと思います。

私も食事管理を続けつつ、活動量を増やす努力をして参りますので、皆様も無理なく継続できる運動を生活に取り入れ、食事管理や薬物療法と併せて、糖尿病の予防と改善に取り組んでいただき、今年も健康に過ごしましょう。

東京 九段下 免疫細胞療法によるがん治療
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