免疫療法でのがん治療なら東京キャンサークリニックの癌治療コラムがんがんの経過観察、ダブリングタイムと腫瘍マーカー

がんの経過観察、ダブリングタイムと腫瘍マーカー

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【執筆・監修】 阿部 博幸
東京キャンサークリニック理事長

医学博士
一般社団法人国際個別化医療学会理事長

がんは大きくなるためにがん細胞からシグナルを出し、正常な体内の血管から新たな血管を形成して栄養と酸素を正常な血管から補給し続けます。このプロセスを血管新生といいます。
良性腫瘍の場合は、このような血管新生が形成されることはなく、増殖はある程度の大きさで止まり、休眠状態となりますが、悪性の場合は必ずと言っていいほど病的な血管新生が繰り返されてがん細胞が増殖していきます。

ダブリングタイムとは

しかし、がん細胞の増殖はがんの部位や種類、原発巣か転移巣かによって、その増殖のスピードが違います。そのスピードは「ダブリングタイム」で表されます。

がん細胞は1つが2つに分裂して増殖していくので、体積が2倍になるのに(ダブリング)かかる時間(タイム):ダブリングタイムがわかっていれば、どのくらい経てば、どのくらいの大きさになるかが推定できます。ダブリングタイムが短いとがんの増殖するスピードが速く、長いと増殖スピードが遅いということになります。

そして、ダブリングタイムは治療の効果を測定するのに便利です。ある治療をして、数か月後にダブリングタイムから予測される大きさよりも小さければ、がんの増殖が抑えられていると考えてもいいということになります。

がんの状態を見る指標の1つ、腫瘍マーカー

がんの体積や細胞数を測定するのは難しいため、がんに関連する腫瘍マーカーを用いたダブリングタイムで、がんの予測や経過観察に役立てることができます。

腫瘍マーカーというのは、がん細胞が産出するがん特有の物質を、血液検査によって測定したものです。一般的には、その数値が高くなれば、がんは増殖しているととらえます。また、腫瘍の体積が2倍になると腫瘍マーカーも2倍になると考えられています。

従って、腫瘍マーカーの値を一次関数グラフで表すと急激な上昇を示し、がんがすごいスピードで成長しているという間違った解釈をしかねません。しかし、がんは指数関数的に成長していくため、片対数グラフで表すと一定のダブリングタイムで成長していることが示されます。

がんが死滅する時にも高くなる腫瘍マーカー

がんの経過観察を行っていると、腫瘍マーカーの値がダブリングタイムから予想する直線から大きく外れて予想する値の倍近くになっていることがあります。このような時、がんが縮小していることがよくあります。

なぜ、がんが縮小してきているのに腫瘍マーカーが高くなるのか、と不思議に思われるかも知れません。実は、がん細胞が死滅する時にも、腫瘍マーカーとなっているがん特有の物質が大量に放出されるからです。そのため、腫瘍マーカーが一気に高くなってしまい、患者さんをがっかりさせるのです。

ダブリングタイムが念頭にないと、がんは悪化していると、誰もが思ってしまいます。しなくてもいい心配をし、余計な治療をして体力を落としてしまうこともあるのです。

私は診療の際には必ずダブリングタイムのことを念頭に置き、経過観察と治療計画を行っています。腫瘍マーカーの動きがダブリングタイムと比較して、高すぎても低すぎても、良くなっている可能性が高いと考え、より詳細な検査をすることにしているのです。

今回は少し難しい話になってしまいましたが、一番お伝えしたかったのは、

“腫瘍マーカーだけで一喜一憂することはないのです”ということです。
皆様のご参考になれば幸いです。

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