免疫療法でのがん治療なら東京キャンサークリニックの癌治療コラムその他生体リズム – 病気に負けない体作りは規則正しい生活から

生体リズム – 病気に負けない体作りは規則正しい生活から

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【執筆・監修】 阿部 博幸
東京キャンサークリニック理事長

医学博士
一般社団法人国際個別化医療学会理事長

患者さんから、なかなか寝られないといった不眠についての相談を受けることがあります。不眠が続き昼夜が逆転するような生活を送ると、倦怠感や食欲不振などから、次第に体のバランスを崩してしまいます。

そもそも人間の体には太陽とともに目覚め、日没とともに眠るという生体リズムが備わっています。地球の時間に適応しながら体をコントロールしているのが、いわゆる体内時計と言われるものです。

目からの光が時計遺伝子を刺激し、体内時計を調整

体内時計は脳の「視床下部視交叉上核」と呼ばれる、神経核にある時計遺伝子によってコントロールされています。視床下部視交叉上核は、目から光が入ると網膜を通って最初に到達するところに位置しています。朝起きて太陽の光を浴びるのがいいと言うのはこのためで、光が時計遺伝子を刺激し、体内時計を調整して生体リズムを整えてくれるのです。

光の刺激が視床下部視交叉上核に届くと、神経核にある時計遺伝子を刺激し、時計情報を松果体に伝達しメラトニンの合成と分泌を促進させたり、交感神経や副腎皮質ホルモンによって臓器や組織にある時計遺伝子に伝わることで、生体リズムを刻んでいくと考えられています。
光による刺激の他に、温度や食事による刺激もいくつかの臓器の時計遺伝子を刺激すると言われています。

朝起きてカーテンを開けてお日様を見る、冷たい水で顔を洗う、シャワーを浴びる、朝食をとるといった行動は1日のスタートを切る体への合図になるので、自分に合った方法を毎日続けるといいでしょう。

24時間周期で変動する生体リズム

体内時計が調整され1日のスタートを切ると、日中は活動的になり、夜になると休息モードに切り替わるというリズムを保ちながら、体の様々な機能はその状況に合わせて、休むことなく変動していきます。例えば、白血球の数や成長ホルモンの分泌量も、時間ごとに刻々と変わっていきます。

白血球が最大になるのが真夜中の0時、細胞分裂が盛んになるのが午前2時~4時、成長ホルモンの生産量もこの時間帯に最大になります。

時間による生体の変化としては他にも、メラトニンの生産量が最大になるのが午前4時~5時頃、テストステロンやエストロゲン、コルチゾールの生産量が最大になるのが午前6時頃です。このように本来眠るべき時間中に、病気に負けないからだを作るための大切なホルモンなどが生産されているのです。

また、朝の8時~9時頃、レニン活性、カテコールアミン、血小板凝集能が最大になります。お昼の12時頃には赤血球のヘモグロビン濃度が最高値に達し、午後2時ごろは1分間の心拍数が最大になり、午後3~4時頃には、アドレナリンの分泌や交感神経の緊張がもっとも高くなります。そして午後5~6時頃にはGOTやナトリウム、インシュリン、体温が最大に。

午後6時~8時頃には血栓を溶かす能力が最大になります。さらに午後8時~9時頃に胃酸の分泌がもっとも盛んになり、夜の10時~12時頃にヒスタミン感受性や血中好中球やリンパ球の生産量が最大になるといった具合です。

呼吸と同じように私たちの無意識のもとで、体内では様々な生命を維持するための活動が繰り広げられているのですね。休むことなく私たちを生かすために働き続けてくれる体には、ありがとうの感謝の言葉しかありません。

生活のリズムを作って睡眠問題を克服しましょう

長期にわたる不規則な生活により生じる生体リズムの乱れが、病気の発生につながる可能性があることは容易に想像できます。

特にがんの患者さんにとっては、規則正しい生活をして睡眠時間を確保することは、治療の効果の助けにもなるのです。

昼夜が逆転し朝方まで明るい部屋でテレビを見たり、パソコン画面や携帯電話の画面を見ていると、体内時計は昼間と勘違いし、がん細胞を攻撃する白血球の生産は抑えられ、抗がん作用があるとされるメラトニンの分泌にも影響を与えてしまいます。

なかには仕事の都合で昼夜が逆転した生活を送らざるを得ない方もいるでしょう。その生活が規則正しい場合は、生体リズムはその生活リズムに合わせて動いていると考えられますので、心配する必要はないと思います。

しかしながら、人間は宇宙の一部であり地球や太陽、月の影響を受けていることは明らかです。太陽とともに目覚め、日没とともに眠るという生活が自然であるということは忘れないでください。

冒頭のなかなか眠れないという相談の話に戻りますが、どうしても入眠が難しい場合の対処法として、次のことが挙げられます。

  • 生活のリズムを崩さないようにする。
    私は仕事のない休日でも平日と同じリズムで過ごしています。
  • 昼間の時間帯に出来るだけ活動的に過ごす。
    頭ばかりを働かせないで、体も動かす工夫をしましょう。
  • 入浴後2時間前後の体温が下がる頃が眠りに入りやすい時間になるので、寝る時間から逆算し、熱すぎないお湯にゆっくりつかり、リラックスします。
  • 睡眠をサポートするエッセンシャルオイルにラベンダーがあります。枕に数的落としたり、希釈用のオイルと混ぜて足の裏を丁寧にマッサージすると、快眠を得られます。

このような努力もむなしく不眠が治らないときは、医師に相談してや治療薬やサプリメントを処方してもらいましょう。

規則正しい生活で生体機能をしっかり働かせて、がんに対抗できる体作りを目指しましょう。

東京 九段下 免疫細胞療法によるがん治療
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