青梅と黒糖で暑さ対策を

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【執筆・監修】 阿部 博幸
東京キャンサークリニック理事長

医学博士
一般社団法人国際個別化医療学会理事長

八百屋さんで青梅を見かける季節になりました。

青梅は生で食べるとお腹を壊すと言われ、昔から生で食べる習慣はありません。まあ、生のままかじっても美味しいものではありません。そこで青梅は梅干しや梅シロップ、梅酒などにしていただきます。

青梅の効能について

青梅にはビタミンCやクエン酸が豊富に含まれています。

ビタミンCは体の酸化を防いだり、免疫機能を調整・強化する役割があります。クエン酸は疲労物質である乳酸を分解してくれるので、疲労回復を助けてくれます。

また青梅にはカリウムも豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分なナトリウムの排出、血圧の調整、筋肉の収縮、神経の伝達など体内を正常に機能させるのに不可欠なマクロミネラルです。

マクロミネラルとは

体が正常に機能するためは様々な種類のミネラルを必要とします。それらを必須ミネラルといいますが、大きく2つに分類できます。1つはマクロミネラル(多量ミネラル)、もう一つはトレースミネラル(マイクロミネラル、微量ミネラル)です。

マクロミネラルは1日に100mg以上摂取する必要があるミネラルのことを指し、カルシウム、リン (リン酸塩)、マグネシウム、硫黄、ナトリウム、塩化物、カリウムがマクロミネラルに分類されます。

一方、トレースミネラルは1日の摂取量が100mg以下の微量かつ必須なミネラルのことを指し、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、亜鉛、コバルト、フッ化物、モリブデン、セレンなどがトレースミネラルに分類されます。

夏には梅を

蒸し暑いこの時期は冷たい水やお茶が美味しくのどの渇きを潤してくれますが、水ばかり飲んでいると、何だかだるくてシャキッとしないことがあります。その原因は汗で失われた体内のミネラルが補給されないまま、がぶがぶと飲んだ大量の水のせいで体液が薄まってしまうことで、身体がふらふらしてしまうのです。ですからたくさん汗をかいたときは、水よりもミネラルが含まれているスポーツドリンクを飲むことをお勧めします。

ただし、スポーツドリンクは糖質が高かったり人工甘味料であったりするので、気になる人もいるかと思います。そんな人にお薦めなのが青梅と黒糖で作った梅シロップです。

黒糖は砂糖の一種ですが精製されていないためカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラルを豊富に含みます。芳醇な青梅を黒糖で漬けると1,2週間ほどで梅シロップが出来上がります。外出時にはこれを冷たい水で割りボトルに詰めて持ち歩けば、これからの季節をうまく乗り越えられるでしょう。

黒糖と青梅のシロップ作り

材料
青梅 1kg / 黒糖 1kg / 4ℓ位の保存瓶

  • 煮沸またはアルコール消毒した瓶に、青梅と黒糖を交互に入れます。
  • 風通しのいい日陰に1,2週間保存します。1日に数回ほど瓶をゆすります。
  • 泡が出るなど発酵してしまいそうな時は、リンゴ酢などを100-200㎖ほど加えます。
  • 青梅からエキスが出て、しわしわになったらシロップの完成です。
  • 出来上がったら梅を取り出し、シロップは消毒した小瓶に移し替えて冷蔵庫で保存します。
  • 梅はそのまま頂いたり、工夫して食べてください。

甘いのが苦手という人には、ミネラルをたっぷり含んだ自然塩で漬けた青梅の梅干しを携帯し、ミネラルやクエン酸の補給をしてはどうでしょうか。

昔から梅雨の時期になると各家庭で青梅を梅干しにしたり、梅シロップを作ったりしてきましたが、これから迎える夏本番に備えて夏を乗り切る特効薬を作っていたということになります。

人が生きていくために必要なものは自然から与えられ、先人の知恵で上手く取り入れてきたという素晴らしさに感謝しながら、青梅の恵みをいただきたいと思います。

皆様もいかがでしょうか。

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