
【執筆・監修】 笹田 亜麻子
東京キャンサークリニック院長
医学博士・日本血液学会認定専門医・日本内科学会認定総合内科専門医・
日本内科学会認定内科医・日本医師会認定産業医
体温が上がると免疫細胞の活性も上がると言われる一方、夏は免疫力が下がると聞いたことはありませんか?
暑い夏になると、なぜ免疫力が落ちてしまうのでしょうか。
夏に免疫力が落ちる原因は ”暑さ疲労”
暑い所では熱を逃がすため体がフル稼働し、激しいスポーツ並みの体力を消耗。 疲労やだるさを生じさせます。
暑さ対策に体力を使い果たし、「免疫細胞」を働かせるエネルギーも枯渇します。
- ストレスホルモンが 「免疫」にブレーキをかける
- 水分不足により 「免疫細胞の流れ」が停滞する
- がまんは禁物! エアコンは「体力を守るツール」
- のどが渇く前の 「こまめな一口飲水」
- あなどれない 「睡眠」の大切さ
- エネルギーを補う 「抗酸化」
がん治療中の方には、さらに大きな負担
抗がん剤や放射線治療により、骨髄で免疫細胞を作る造血能が低下します。
そのため、健康な人以上に「暑さ疲労」が免疫力低下を招きます。
そのメカニズムとは?
体の反応:
猛暑というストレスに対し、脳が「生命維持の一大事!」と判断、
ストレスに対抗するホルモンであるコルチゾールなどを、大量に分泌させる指令を出します。
免疫への影響:
コルチゾールには、免疫細胞の活性を抑制する性質があります。
体の反応:
体の熱を逃がす目的の発汗により体の中の水分が減ると、血液がドロドロになります。
免疫への影響:
免疫細胞は、血液に乗って体内を巡り、病原体や異常な細胞を敵として見つけて攻撃します。
血液がドロドロになると通り道が大渋滞を起こし、免疫細胞が敵のいる場所にたどり着けず、免疫力を発揮できません。
<対策> 夏の免疫力を守るための「4つの習慣」
涼しい部屋で過ごすことは、楽をしているのではなく、「体力を温存し免疫力をキープするためのケア」です。
年齢を重ねると、身体の体温センサーが正常に働かず、暑さを自覚し難くなることが多々あります。
室内に温度計を設置し、室温26〜28℃を目安に、外との温度差で疲れない快適な環境を作りましょう。
「のどが渇いた」と感じた時点ですでに脱水が始まり、血液の巡りは悪くなっています。
常温または少し冷たい(10〜15℃)水や麦茶を手元に置き、
15〜20分おきに一口ずつ含むのが、血液の渋滞を防ぐ良い方法です。
下痢やしびれなど抗がん剤の副作用がある場合、
冷たすぎる飲み物は胃腸を壊したり、しびれを悪化させたりするため、常温に近いものを飲みましょう。
最近の研究により、体内時計が夜間に免疫機能を発動することが報告されました。
また、十分な睡眠時間により、免疫の記憶能力が向上するとも言われています。
体内時計を整え、免疫細胞がよく働けるように、睡眠をしっかりとりましょう。
睡眠中には、暑さストレスで受けた体のダメージの修復も行われます。
暑さストレスにより体中に溜まった 「疲労のゴミ(活性酸素)」を片付け、体のダメージを修復するために
ビタミンが豊富なトマトなどの夏野菜や果物を意識して食べましょう。
暑さストレスから免疫力を守り、元気に夏を過ごしましょう。
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