治療方法を決める前に

病名だけで治療法を決めてしまわないでください。

「乳がんだから手術」「まずは抗がん剤で様子を見る」といった治療は「Best」な選択でしょうか。

もちろん、それぞれ有力な選択肢のひとつです。
しかし、例えば同じ「乳がん」でもAさんの「乳がん」とBさんの「乳がん」は違います。がんという病気は、原因も進行も千差万別です。個々のがん細胞の特性、個々の患者さまの事情によって、治療の選択は変わってゆきます。病名のみでなく、個々の情報を深く掘り下げた医学的ポートレート=『確かな根拠』をもとに治療方法を検討し、患者さまに寄り添った治療計画を組み立てることが最も重要です。

末期がん・進行がんと診断された方でも、選択の枠を広げれば前向きな治療の道があります。

がんの治療法は世界中で研究されており、すでに日本でも「がん免疫細胞療法」のような先進的な医療が標準治療の限界を補い、多くの治療成績を上げています。 決してあきらめる必要はありません。

セカンドオピニオンならず、サード、フォースと多くの意見を聞いてください。

治療方法を決めるのはご自身です。

外科、内科、放射線科、あるいは免疫療法専門の医師など、出来るだけ多くの医師の意見を聞いて、ご自身で納得してご自分に合った治療を選択してくだい。

表現が同じでも「中身」が違う治療もあります。詳しく内容を理解しましょう。

例えば免疫細胞療法には、名称が似ていても中身が違うものもあります。
ご自分に合った治療法を選択した後は、いくつかの病院やクリニックで、治療内容について説明をお聞きになることをお奨めします。

がんと診断されたら、まずは、ご相談ください。

がん治療は最初にどのような治療を行うかが、予後を左右すると言っても過言ではありません。
例えば、先入観から手術や化学療法を嫌い、補助的治療に走ることはお奨めできません。根治するタイミングを逃してしまう可能性があるからです。
すでに手術や入院など治療方針が決まっている場合でも、その他の治療法を組み合わせて患者さまのQOL(生活の質)を高め、再発防止や進行を遅らせることができる場合もあります。

前向きな治療に向けて──。

栄養をとって、体力・気力を養ってください。

どのような治療法を選ばれても、栄養をきちんと摂ることが大切です。

がんと闘うには体力が勝負です。
加工品は出来るだけ避けて、脂身の少ない良質な肉類や・魚類、卵、食物繊維やビタミン類をたっぷり含んだ旬の野菜・果物をバランスよく、少しずついただくのが理想です。

極端な菜食主義に走ったり、○○に良いからとひとつの食品を集中的に食べるフード・ファシズムに陥るのはおすすめできません。

適度な運動を心掛けてください。

適度な運動は、栄養と同じくらい大切です。

がんの予後と運動の関係についての研究報告は数多くあります。
ウォー キングなど気軽にできる運動を少しずつ始めて、習慣づけることをお奨めします。気力にも良く影響し、様々な恩恵が期待できると考えられます。