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自己脂肪組織由来間葉系幹細胞による動脈硬化性疾患の予防と治療

動脈硬化性疾患について

動脈硬化が進行することで発症する病気を動脈硬化性疾患と呼んでいます。
具体的には動脈硬化にともない、次のような疾患を引き起こすリスクがあります。

  • 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患
  • 脳梗塞や脳卒中などの頸動脈疾患
  • 腕や脚、骨盤などのしびれや痛みなどの抹消動脈疾患

動脈硬化とは

体の組織や臓器を構成する細胞に酸素と栄養素を運ぶ血液は、心臓から動脈を通って体全体に送り届けられています。健康な動脈は柔軟で弾力性がありますが、年齢とともに動脈の壁が硬くなり弾力性が失われ、血管内が狭くなり、血液がスムーズに流れなくなります。

その原因は動脈の内壁にプラークが蓄積されるためです。プラークは脂肪やコレステロール、カルシウムなどの物質で出来た粘着性のある物質です。プラークの発生と蓄積の危険因子として、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常、喫煙、ストレスなどがあげられます。

動脈硬化性疾患の予防と治療

動脈硬化性疾患の治療として生活習慣改善の指導、薬剤治療、そして外科的処置があり、診断結果に応じて治療方針が決められます。生活習慣の改善としては、食事、運動、減塩、減量、禁酒、禁煙などの指導が行われます。薬剤治療では、血圧の制御や血糖値の管理、コレステロールを下げるための目的などで薬が処方されます。動脈硬化が進行している場合は、冠状動脈整形術や冠状動脈バイパス手術、頸動脈内膜剥離術といった外科的処置が行われます。

しかし疾患の種類や進行度により、既存の治療では思うような効果が見られない、不快な症状を取り除くことができない、別の健康上の問題により薬剤治療や外科的処置を受けることができない場合もあります。

当院ではこのような標準的な治療をされても効果を得られない、もしくは標準的な治療が不適応の方を対象に、治療の選択肢の一つとして再生医療をご提案しています(第二種再生医療等 提供計画番号:PB3210167)。

この再生医療による治療の目的は、患者さま自身の脂肪組織由来間葉系幹細胞を経静脈的に投与することで、動脈硬化と虚血状態の改善を図り、QOL(生活の質)の向上を目指すものです。

この治療で使用する間葉系幹細胞は、損傷を負った細胞の信号に反応して損傷部位に誘導されていく「ホーミング」として知られている能力があります。ホーミングにより損傷部位や炎症部位に集まった間葉系幹細胞は、損傷部位を修復したり炎症を抑えたりするサイトカインという物質を分泌したり、血管新生を促進したり、免疫バランスを調整・回復する能力があることが報告されています。

予防的治療としても

また、この治療は動脈硬化性疾患の予防的治療として受けていただくこともできます。

動脈硬化性疾患の危険因子は、糖尿病、高血圧、高血糖、高コレステロール、肥満、家族歴、高齢者、喫煙、運動不足、健康的でない食生活などがあげられます。 当院ではこのような病状や生活習慣に該当する方を対象に、動脈硬化に関連する症状を管理しながら健康的な生活習慣への改善指導とともに、予防的治療として再生医療をご提案しています。

治療の流れ

1.初診

患者さまの病状や治療歴、現在の身体的情報などを詳しくお伺いし、自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を使用した治療についてご説明いたします。

※臨床応用されて間がないため、効果の予想が困難なケースもあり、必ずしも全ての患者さまに効果を保証するものではありません。患者さまが改善されたい症状に対して、有効性と安全性を検討した結果、他の治療方法が優先される場合には、本治療以外の治療方法をお勧めします。

2.事前検査

感染症、脂質異常、血糖値、炎症反応などの血液検査、血圧、心電図、動脈プラーク検査(超音波検査)、動脈硬化検査(ABI、CAVI)、出血傾向のスクリーニングとして血液凝固検査(PT、APTT)などを行います。

※検査結果の判定には約1週間の時間が必要です。
※血液をサラサラにする抗凝固薬を服用している場合は、必ずお知らせください。
※常用されている薬やサプリメントなどがありましたら、お知らせください。

3.治療適応の確認後、脂肪組織の採取

腹部などから局所麻酔下で長さ2cm以下の小切開を加え、脂肪組織を採取します。
また、細胞培養に用いる血漿成分を得る目的で、採血を行います。
止血の後にご帰宅いただきます。

4.投与

脂肪組織の採取から約5週間後に、培養・増殖したご本人の幹細胞を静脈点滴にて投与します。所要時間30分~60分。
細胞数により2回に分けて点滴する場合もあります。

5.経過観察と治療の評価

投与から3か月後・6カ月後・1年後、その後は1年毎に治療後5年にわたり、経過をみる目的で、ご容態について問い合わせや、来院による問診・診察をさせていただきます。

副作用

  • 間葉系幹細胞の静脈投与に関する副作用として、塞栓(血管の詰まり)が生じたとする報告があります。それ以外に深刻な副作用は報告されておりません。 しかし、 投与後5 年以降の長期的な影響はまだわかっておりません。
  • 脂肪採取の皮膚切開に伴い、出血、創部の感染、傷跡やヒキツレなどが起こることがあります。
  • 静脈投与により、可能性のある副作用として、アレルギー反応、腫れ、呼吸困難、ひどい皮膚発疹、肝臓または腎臓の障害、心拍リズムの変化などの報告があります。また、投与後の発熱、眠気が出現することがあります。

治療を受けられない方

  • 脂肪採取時に使用する局所麻酔薬など特定の物質に対する過敏症のある方
  • 重いアレルギー症状を起こした経験がある方
  • 感染症( HIV または HTLV-1 )を発症している方
  • 抗凝固薬を中断できない方
  • 妊婦中・授乳中の方
  • がん治療中の方
  • 18歳未満の方

治療費

(税込)

初診時の事前検査費(問診・診察、一般血液検査、感染症検査含む) 16,500円
幹細胞治療の治療費 点滴1回
(診察料、脂肪採取、幹細胞培養加工費および投与料含む)
2,200,000円
2回に分けた場合の点滴2回目
(診察料、幹細胞保管・調整、および投与料含む)
1,100,000円
  • 健康保険適用外の診療のため、全額自己負担となります。
  • 価格は技術の進展とともに、予告なく変更する場合がありますことを、予めご了承ください。