樹状細胞ワクチン – 多価樹状細胞ワクチン療法

東京キャンサークリニックでは、患者さまの負担を軽減した樹状細胞ワクチン(多価樹状細胞ワクチン療法)を提供しています。研究開発の成果として確立された当院独自の樹状細胞培養技術により、わずか25mlの静脈採血でワクチンの製造が可能となり、アフェレーシス(成分採血)は不要です。

本ページでは、体への負担が少ない多価樹状細胞ワクチン療法について、治療の概要、流れ、副作用、費用などをわかりやすくご説明します。

当院が用いている「樹状細胞ワクチン製造に関わる一連の技術」は、日本、米国、ドイツ、フランス、イギリス、韓国、シンガポール、台湾、中国、マカオ、香港で知的財産として保護されています。

多価樹状細胞ワクチン療法とは

樹状細胞とは

樹状細胞は体内に存在する免疫細胞の一つで、病原体やがん細胞などの異常な細胞を取り込み、その情報を他の免疫細胞に伝える役割を担っています。この働きは「抗原提示能」と呼ばれています。特にT細胞やヘルパーT細胞に情報を伝えることで、免疫応答を開始させる重要な働きをしています。

このような働きから、樹状細胞は「免疫の司令塔」と呼ばれています。

多価樹状細胞ワクチン療法の特徴

本ページで紹介する「多価樹状細胞ワクチン療法」は、一般に「樹状細胞ワクチン」と呼ばれる免疫療法の一種です。樹状細胞が本来持つ優れた抗原提示能を応用した免疫細胞療法です。

当院では、少量の血液から樹状細胞を効率よく培養する技術を用い、複数のがん抗原を提示できる多価ワクチンを製造しています。

一般的な樹状細胞ワクチンでは、限られた数のがん抗原を用いることが多いのに対し、当院の多価樹状細胞ワクチン療法では、複数(4種類以上)のがん抗原を同時に用います。これにより、がん細胞が一部の目印を隠している場合でも、免疫細胞ががんを的確に認識し、免疫応答を効果的に引き出すことが期待されます。

免疫の仕組みをもう少し詳しく知りたい方へ

樹状細胞ワクチンに含まれる樹状細胞は、T細胞とヘルパーT細胞にがんの目印となる情報を伝える役割を担います。

がんの目印となる情報を受け取ったT細胞は活性化し、がん細胞を直接攻撃するキラーT細胞へと変化していきます。同時にヘルパーT細胞も活性化し、サイトカインを放出することでキラーT細胞の増殖や働きを助けます。その結果、キラーT細胞は数を増やし、より強力ながん攻撃が可能になります。

従いまして、当院の多価樹状細胞ワクチン製造は、ヘルパーT細胞も活性化できる設計を重視しています。

こうして樹状細胞の指令とヘルパーT細胞の支援を受けたキラーT細胞は、分裂・増殖を繰り返し、リンパ管や血管を通じて全身を巡り、樹状細胞から伝えられた目印を持つがん細胞を選択的に攻撃します。正常な細胞は攻撃の対象とならないため、体への負担が少ない治療と考えられています。

このように分子レベルでがん細胞を認識する仕組みのため、目に見える大きさになる前の微細ながんや、外科的な除去が難しい浸潤性のがんに対しても作用が期待されます。

治療の流れ

通院での治療が可能です。
2週間ごとに少量の採血と、ワクチンの皮内注射を受けていただきます。

東京キャンサークリニックでは、アフェレーシス(成分採血)を行わずに、1回ごとに患者さまの血液を約25ml採取し、単球という細胞を分離し、未分化のまま増殖させてから大量の樹状細胞を培養していきます。

そこに人工がん抗原や、患者さまご自身のがん組織が入手可能な場合は、がん組織から抽出した自己がん抗原を取り込ませ培養していくことで、多価樹状細胞ワクチンを完成させます。

これをがん患部に関連したリンパ節近くに皮内注射で投与、または、腫瘍内に直接投与します。キラーT細胞に加え、ヘルパーT細胞にがんの目印の情報を伝え、がん細胞を攻撃させます。

1クールの治療期間は3ヶ月となり、患者さまは2週間毎に採血とワクチン投与を6回(※)受けていただきます。

※活性NK細胞療法または活性NK/NKT/γδT細胞療法を併用される場合は、5回の投与で1クールとなります。

単球を未分化のまま大量に増殖させる培養技術により、わずかな採血量から治療に必要な量の樹状細胞ワクチンを製造することが可能になっています。

治療の評価

当院では、治療の経過を丁寧に確認するため、「治療前」、「1クール終了直後」、「1クール終了3ヶ月後」にT細胞応答サイトカイン検査(イミュノグラム)、CTCカウント、cfDNA濃度、腫瘍マーカーなどの検査を行い評価の指標の1つにしています。

1クール終了直後にQOLの評価を行った上で、イミュノグラムや腫瘍マーカー、画像診断などを基に治療の評価を行います。 さらに、1クール終了3ヶ月後に再びQOLの評価を行い、イミュノグラムや腫瘍マーカー、画像診断などを基に治療の評価を行い、今後についての計画を患者さまと相談しながら決めていきます。

治療の特長

アフェレーシスが不要です

アフェレーシスとは、樹状細胞の元になる単球を採取するための成分採血です。樹状細胞ワクチンを作るためには、この方法で2~3時間かけて1クールの治療に必要な量を採取していました。しかしこれは患者さまの時間的・心身的負担を伴うものでした。

東京キャンサークリニックでは新たな技術を確立し、通常の静脈からの少量の採血で治療することを可能にしました。この技術は世界11カ国・都市で特許を取得しています。

  • アフェレーシスにかかる時間と、患者さまの心身的負担がなくなりました。
  • 1回わずか25mlの静脈採血で、1本分のワクチンを作ります。
  • 1回分ずつワクチンを製造できるので、凍結解凍の必要がなく鮮度の高いワクチンを投与できます。

少量の単球から大量の樹状細胞を培養します

アフェレーシスによる樹状細胞ワクチン製造法は、採取した単球をそのまま樹状細胞へと分化させます。患者さまの状態によっては単球の数を十分確保することが出来ないこともあり、必然的にワクチンの質や量に影響します。

当院では単球そのものを未分化のまま大量に増殖させる革新的技術により、どのような状態の患者さまでも十分な量と質の樹状細胞ワクチンを製造できるようになりました。この技術は国内外で知的財産として保護されています。

関連ページ「開発ストーリー

長鎖ペプチドを含む4種類以上のがん抗原を用います

がん細胞は多種類の目印を持っています。しかし免疫機構の監視から逃れるために、目印を隠すこともあります。

樹状細胞ワクチンが提示するがんの目印(ペプチド)の種類が多い方が、がん細胞を認識する確率が高まり、ワクチンが効果的に働くことが臨床研究でも確認されています。

一般的には使用するペプチドは1, 2価ですが、当院では4価以上を使用する多価ワクチンです。

そして当院では、WT1、NY-ESO-1など長鎖化したペプチドで、効力の高い樹状細胞ワクチンを作ることに成功しています。

  • 樹状細胞のMHCクラスIとクラスII分子上に提示させる長鎖ペプチドを使用します。
  • つまり、キラーT細胞とヘルパーT細胞を同時に活性化するので、強力なワクチンになるのです。
  • メモリーT細胞により治療効果が持続するため、がんワクチン治療効果判定基準であるirRCによる判定にも合致します。
  • 当院が確立した樹状細胞ワクチンの製造技術により、抗原提示能の高い樹状細胞ワクチンを提供しています。
  • 患者さまのがん組織が入手できる場合、自己がん抗原として使用します。

Treg(制御性T細胞)を抑制する治療を併用します

私たちの体に備わっている免疫機構は、体に侵入したウイルスやがん細胞などを異物として認識し排除するという免疫反応の他に、過剰な免疫応答を抑制しようとする機能も備わっています。

がん細胞はIL-10、IL-4、TGF-βなどの免疫制御性サイトカインを出すことで、制御性T細胞を増やしてがん細胞を攻撃する免疫細胞の働きを抑えようとします。そこで東京キャンサークリニックでは、多価樹状細胞ワクチン療法の効果を増強するために、メトロノーム療法を併用しています。

副作用

  • 患者さま自身の免疫細胞と免疫システムを利用するため、副作用はほとんどありません。これまで、CTCAE v5.0によるGrade 3以上の重篤な副作用が起こったケースはありません。
  • 可能性のある有害事象として発疹、アレルギー・肝機能障害、ショックが挙げられます。ごく稀に、投与後数時間内に強い免疫反応により、悪寒や37~38度の発熱が起こることがありますが、半日ほどで治まります。また、一時的に注射部位が赤く腫れることがあります。

治療費

多価樹状細胞ワクチン療法(単独)

(税込)

初診料 サービスにより無料
血液検査 HLA遺伝子型検査(初回) 22,000円
治療前検査及び1クール終了後評価検査(計2回)
(成人病セット, 感染症, 腫瘍マーカー, CTCカウント, cfDNA濃度, T細胞応答サイトカイン検査)
110,000円
多価樹状細胞ワクチン療法 (人工がん抗原4種類まで含む) 473,000円(1回投与)
※1クール(6回投与) 2,838,000円
人工がん抗原の追加 27,500円/種類
ハイブリッド免疫療法(多価樹状細胞ワクチン療法と活性NK細胞療法の併用)

(税込)

初診料 サービスにより無料
血液検査 HLA遺伝子型検査(初回) 22,000円
治療前検査及び1クール終了後評価検査(計2回)
(成人病セット, 感染症, 腫瘍マーカー, CTCカウント, cfDNA濃度, T細胞応答サイトカイン検査)
110,000円
ハイブリッド免疫療法 (人工がん抗原4種類まで含む) 627,000円(1回投与)
※1クール(5回投与) 3,135,000円
人工がん抗原の追加 27,500円/種類
マルチ・ハイブリッド免疫療法(多価樹状細胞ワクチン療法と活性NK/NKT/γδT細胞療法の併用)

(税込)

初診料 サービスにより無料
血液検査 HLA遺伝子型検査(初回) 22,000円
治療前検査及び1クール終了後評価検査(計2回)
(成人病セット, 感染症, 腫瘍マーカー, CTCカウント, cfDNA濃度, T細胞応答サイトカイン検査)
110,000円
マルチ・ハイブリッド免疫療法 (人工がん抗原4種類まで含む) 660,000円(1回投与)
※1クール(5回投与) 3,300,000円
人工がん抗原の追加 27,500円/種類
  • がん予防目的での治療の場合、血液検査はHLA検査と治療前検査のみとなります。治療前検査の内容は成人病セット, 感染症, 腫瘍マーカー検査となり、費用は22,000円(税込)となります。
  • 健康保険適用外の診療のため、全額自己負担となります。
  • 価格は技術の進展とともに、予告なく変更する場合がありますことを、予めご了承ください。

よくある質問

治療費は医療費控除の対象となりますか?

当クリニックで受診された治療費等は「医療費控除」の対象となります。領収書は医療費控除の手続きに必要となりますので大切に保管しておいてください。 医療費控除の詳細につきましては税務署までお問合せください。

多価樹状細胞ワクチン療法は、再発・転移の予防にも効果はありますか?

手術後の転移・再発の予防に多価樹状細胞ワクチン療法を用いることは、患者さまにとって有益であると考えられます。これまで世界で行われてきた樹状細胞ワクチンの臨床研究は、主に再発や転移をしている進行がん・末期がんを対象として行われてきました。これらで確認された抗がん作用は、再発予防に重要なミクロのがんに対しても免疫学的に同様に作用すると考えられています。従って、もしがんの手術後にミクロなレベルでがん細胞が残存している場合、多価樹状細胞ワクチン療法を行うことで、がんの転移・再発の確率を下げる、あるいは予防できる可能性が十分あると考えられます。

別の医療機関で受けている治療と併用することはできますか?

がんの標準治療(抗がん剤、放射線、手術)を受けていらっしゃる場合は、そのまま継続されることをおすすめします。当クリニックでは、標準治療に多価樹状細胞ワクチンをはじめとした免疫療法をどのように併用するのか、または標準治療終了後、どのようなタイミングで当クリニックのがん治療を開始するのかなどを、患者さまの診療情報をもとに計画します。

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