免疫療法でがんを完治できるの?
標準治療と同じように、完治を期待できる治療方法です。
早期発見で体力気力が十分にあるうちに行えば、完治の可能性はより高くなると考えます。
免疫療法で効果が上がらない人がいる?
基礎体力がないと、すぐに目に見える効果を得られないことがあります。
どんなにいい治療でも、残念ながら、すぐに目に見える効果を得られないことがあります。例えば、軽い運動ができる、食事を摂れる、眠れる、気力があるなどの「基礎体力」が整っていない方は、治療が効きにくいと言えます。多価樹状細胞ワクチン療法の場合、栄養状態が悪く、体内にT細胞が少ないとワクチンを注射しても十分な効果を発揮できません。体内の細胞増殖にはたんぱく質の摂取が欠かせません。
標準治療より免疫療法を受けるべき?
答えはNoです。あくまでもケース・バイ・ケースです。
- 早期発見で内視鏡で簡単に切除できるような場合や、抗がん剤がとても有効ながんの場合には、健康保険適応の標準治療を奨めています。
- 腫瘍がある程度大きくなっており、かつ手術が可能な場合は、手術でがんを切除いただき、再発・転移予防のために、手術後に自己がん組織を使った樹状細胞ワクチンや、少量の抗がん剤治療と並行して免疫療法を提案することがあります。
- 手術ができない大きながんで放射線や抗がん剤が適応外などの場合、免疫療法でがんを小さくし、その後手術でがんを切除されたケースもあります。
- 再発や転移のある人には免疫療法を奨める場合が多いです。
当院では、病気の情報に加え、年齢、性別、ライフスタイルなどあらゆる点を考慮して、その人にとってより良い治療をご提案して、本人が納得のいく治療を行います。
免疫療法? 何それ、大丈夫?と言われたけれど?
ご安心ください。当院の免疫療法は、医学的に効果が実証されている治療法です。
当院で実施している多価樹状細胞ワクチン療法や活性NK細胞療法などの「免疫細胞療法」は、2002年よりスタートした研究開発部門で開発した革新的細胞培養技術に裏付けされた治療です。保有する技術は日本や米国、アジアやヨーロッパの各国で特許が成立しています。
どのような免疫療法なのか、その仕組みや製造方法などを直接聞いて、納得のいく免疫療法を見つけることが大切です。
ペプチドワクチンと樹状細胞ワクチンの違いは?
基本的な理論は同じですが、投与の中身が全く違います。
がん細胞の表面には《がん抗原》と呼ばれる様々なタンパクが現れています。「ペプチドワクチン」も「樹状細胞ワクチン」も、がんを攻撃する免疫細胞(キラーT細胞)に、この《がん抗原》を認識させて、ピンポイントでがん細胞を攻撃させるという理論の治療方法です。
ただし、キラーT細胞ががん細胞を攻撃するには、司令塔である樹状細胞から《がん抗原》の情報を受け取る必要があります。抗原情報を受けて初めて、キラーT細胞として活性化するのです。
樹状細胞ワクチンは製造に手間が掛かりますが、ペプチドワクチンとの違いは明らかです。
ペプチドワクチンは、ペプチド(がん抗原)を投与します。
皮膚には樹状細胞の数が多くありません。ペプチドそのものを皮下注射する「ペプチドワクチン」は、残念ながら臨床効果がないという結果がニュースになりました。
当院の「多価樹状細胞ワクチン療法」は、がん抗原情報をもった樹状細胞を投与します。
「多価樹状細胞ワクチン療法」は、体外で患者さまの単球から樹状細胞を培養・増殖し、ペプチドを取り込ませてから、がん患部に関連したリンパ節近傍に皮内注射します。リンパ節でT細胞と樹状細胞ワクチンが速やかに情報交換することで、キラーT細胞となってがん細胞を攻撃できるのです。
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アフェレーシスに2~5時間て本当?
はい本当です。しかし当院では、アフェレーシスを不要にしました。
当院ではアフェレーシスをすることなく、わずか25mlの静脈採血でワクチン1本を作ることができるようになりました。これは一重に培養技術の革新によるもので、培養できる樹状細胞の数は従来通りかそれ以上です。
どうぞ安心してこの画期的な「アフェレーシスなし」の多価樹状細胞ワクチン療法を受けてください。
※アフェレーシス(写真)とは、両腕から血管と機械をつなぎ、血液から単球を含む白血球層を分離して体に戻すものです。一定量を採取するために2~5時間同じ姿勢でいなければなりません。また、体が冷えると苦痛を訴える方もおり、特にがんでやせた患者さまには酷なものでした。
アフェレーシスなしでワクチンが作れる?
はい。1回毎の採血によるワクチン培養で、アフェレーシス以上の結果が出ています。
当クリニックには、単球を未分化のまま大量に増殖させるところから細胞培養をスタートできる技術があります。だからわずか25mlの採血から、樹状細胞数>107個、生細胞率97%以上という、アフェレーシスによる樹状細胞ワクチン以上の結果が出ています。
※保有する特許技術による革新的な樹状細胞ワクチンの製造法です。
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1回毎に樹状細胞ワクチンを作るメリット
- 患者さまの身体的負担を大幅に軽減します。
- ワクチンを凍結解凍する必要がないため、ワクチンの鮮度が格段に高まります。
- ワクチン接種により体の免疫機能が上昇しているところで、次回分の採血をして樹状細胞ワクチンを作るので、一度につくる方法より良い樹状細胞ワクチンができると言えます。
※患者さまの細胞の状態や一定の期間内に投与ができない場合は、凍結保存させていただく事があります。
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治療費は1回毎でいいの?
はい。治療費を採血毎にお支払いただくことが可能になりました。
以前は、1クール分(5~7回分)のワクチンを一度に作るため、治療費を一括でいただいておりました。しかし、当院では培養技術を革新し、1回毎の採血で樹状細胞ワクチンを製造できるようになりました。治療費も1回分ずつお支払いいただけます。
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人工抗原を使用しない方法もある?
ご自身のがん組織を抗原として利用する方法があります。
手術で切除したフレッシュながん組織の一部をいただければ、それを溶解して抗原として利用できます。手術予定がある場合は、事前にご連絡ださい。(十分な量が確保できなかった場合は人工抗原を一緒に加える場合もありますのでご了承ください。)
※樹状細胞ワクチンは、がん細胞の目印(抗原)をターゲットに攻撃をするため、自己がん組織もしくは人工抗原を使う必要があります。がんは多様な細胞の集団なので、様々な抗原を表出させています。人工抗原を使用する場合、バイオマーカー、遺伝子検査等でその人のがん細胞に適合する人工抗原を決めますが、通常4~8種類はお使いいただくことになります。
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他院でWT1が適応しないと言われましたが?
当院では、すべての人に適応するWT1人工抗原を使っています。
一般的な樹状細胞ワクチン療法で使用されているWT1は、WT1タンパクの一部、9個のアミノ酸からなる「WT1ペプチド」という断片です。そのために、HLAがマッチングせずに使用できない患者さんもいます。当院では、全配列をカバーするヒトWT1タンパク質を使用しているので、すべての人がWT1人工抗原を使用できます。また、このWT1を使った樹状細胞ワクチンはWT1-特異的キラーT細胞とともに、ヘルパーT細胞も活性化するので、ワクチンそのものも効力が違います。
当クリニックでは、あらゆるがんに対応するワクチン製造技術によって、あなたのがんに合わせた多価樹状細胞ワクチンをつくります。
当院の多価樹状細胞ワクチン療法は、単に多種類の免疫細胞を混ぜ合わせて培養したものや、有名なペプチドを1、2種類使ったワクチンではありません。患者さま一人ひとり異なるがん細胞を確実に攻撃する強力なワクチンを作るため、患者さまのがん細胞を標的にする4種類以上の長鎖ペプチドを取り込ませて、多価樹状細胞ワクチンを製造します。このワクチンによって活性化したキラーT細胞はがん細胞を攻撃し、再びがん細胞が発生した時にメモリーT細胞が素早く起動します。これが本来のワクチンなのです。
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